先生のバイク ~side先生~
“お兄ちゃんと、夢子へ
いきなり出て行って、ごめんなさい。
でも、お母さんは、もう無理です。ごめんなさい。
少ないお金だけど、お兄ちゃん、大学へ行ってください。
たまに、お金を送ります。
お兄ちゃん、夢子を支えてあげてください。
まだ高校生なのに、こんなことさせてごめんなさい。
そして絶対大学に行ってください。
お兄ちゃんは、頭がいいから大丈夫だよ。
夢子、まだ中学生なのに、こんな辛い思いさせてごめんなさい。
夢子は家事をたくさんしてくれたよね。
夢子はお兄ちゃんみたいに頭はよくなかったから、無理に大学へ行けとはいいません。
でも、絶対高校に行ってください。
高校は楽しいよ。
受験生なのにこんな大変な思いをさせて、ごめんなさい。
私は、2人を育てる自信がありません。
ごめんなさい。
本当に、ごめんなさい。
あんな父親と、結婚してごめんなさい。
新しいマンションを借りました。
~~~
ここならあの人も来ないし家賃も安いです。
ここにお金を送るので引っ越さないでください。
お母さんは、あなたたちに何もしてあげれなかった。
お兄ちゃん、
響也という名前は、響くと言う意味です。
そのまんまだけど、きれいに響いて人に安らぎを与える人になれるよう。
夢子、
夢子は名前のとうり、夢を追う子と言う意味です。
夢を追う子は、一番美しいと思っています。
あなたたちの名前は、全部、お父さんがつけたんだよ。
あんなひどい人だけど、あなたたちが産まれた時すごい喜んでたんだよ。
だから、お父さんを嫌いにならないであげてください。
そして、精一杯生きてください。
こんなお母さんで、本当にごめんなさい。
あなたたちは、私をいつも支えてくれました。
いつも、ありがとうございました。
本当に、ありがとうございました。
×年 12月×日
母より”