先生のバイク ~side先生~
「ゆっ・・・ゆきね・・・・・。」
こんなに人を想ったのは、初めてだった。
俺は、ゆきねに初めてをたくさんもらった。
初めて恋をした相手。
初めて自分から告白した相手。
初めて好きな人との優しいキスをした相手・・・。
俺は、ゆきねがいなかったら、こんなに前向きになれなかったと思う。
見ず知らずの人に、コートとマフラーを貸したゆきね。
見ず知らずの人を家まで送ったゆきね。
そのせいで、風邪を引いたゆきね。
特別美人ってわけじゃなかったけど、かわいかったゆきね。
俺は、優しいゆきねが好きだった。
大好きだった。
もう、お別れなんだね・・・、ゆきね・・・・・・。
今度あったら、またバイクの後ろに乗せてやるよ。
今度こそ、最後まで送る。
ゆきね、今までありがとう。
大好きだった。
もう、お別れなんだ・・・。
バイバイ・・・・・。