君に声が届くなら




本気で、心から笑ったのなんて
いつぶりだろう。



逞が死んでから一度も笑えなかった。



荻原くんといると、自然と笑える。



…だからこそわたしは、
彼のそばにいちゃいけない。



特別になっていくみたいで怖かった



「 入んねーの? 」



荻原くんの言葉で我に返る。
いつの間にか図書室に着いていた。




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