君に声が届くなら




「 …あ…ごめん。 」



何も悪くないのに荻原くんは傷ついた顔を隠して謝る



どうしてわたしは、
人を傷つけることしかできないのだろう



逞を殺して
萌恵に気を遣わせて



…何も関係のない
荻原くんまで傷つけて…



誰かを傷つけるぐらいなら
関わらないほうがいい。



……だから、



「 荻原くん…、もう





       関わらないで 」



離れなきゃ、いけない。




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