君に声が届くなら






わたしは何も言わずに
静かに頷いて鞄を持って行った




ああいうの
気にならないわけじゃない




もう慣れた…といえば
変な気がするけど、





「 涼香、ん。 」




そう言って差し出された
大きい逞の右手、



わたしは
この手を離したいとは思わない



………思えなかった




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