彼女の日記〜きみを忘れない〜
「お〜和樹、久しぶり〜。」
病院の待合室で缶コーヒーを飲む藤谷に近づいた。
「久しぶりって、2週間前に電話したばっかだろ。しかも、お前から。」
「2週間前?・・ああ〜、そういや、俺が教えたんだもんな。河原の入院のこと。」
「そうだよ。」
2週間前、藤谷の電話でゆいの入院を知った。
「えっと・・・河原ゆいさんですね?少々お待ち下さい。」
受け付けにいた女性に、ゆいの部屋を聞いた。
奥で、男性が何か他の仕事をしているようだった。
「すいません。ありがとうございます。」
和樹が聞いている間、藤谷は自動販売機で買ったコーヒーを全部飲み干していた。