彼女の日記〜きみを忘れない〜

前の車がゆっくりと進む。


「何?」


アクセルを、ゆっくりと踏み込む。発進する前に、何か言いたそうな幸恵に一瞬、顔を向けた。


「何も・・・。」


幸恵は顔を外に向けたまま。


「本当に?」


ハンドルを右に回す。


「はい。あの、大沢さん。何か飲みたいです。」


「はいはい。」


< 102 / 229 >

この作品をシェア

pagetop