彼女の日記〜きみを忘れない〜

「カズくん。今のお婆さん、知り合いなの?」


「え?知らない、知らない。赤の他人。」


「だよね。」




「あっ!!また、床におしっこしてぇ。ちょっと、高木さんの病室、見てきて!」


廊下を通りかかった看護師が、甲高い声で叫んでいる。


「多分、さっきのお婆さんよ。」


「さっき?」


「うん。さっき、カズくんの後ろにいた人。間に合わなくて、歩いたままおしっこしちゃったりするんだ。」


「へぇ〜。」


「いつも、そうなの。看護士さん、よく掃除してるから。」


そういえば、気持ち良さそうな顔してたなぁ。
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