彼女の日記〜きみを忘れない〜


「今、どこにいる?」


気がつけば、俺は幸恵に電話をかけていた。


「・・・駅・・室駅・・・。」


幸恵の泣き声。外にいるんだろう。物音ひとつしない。


「今から、行く!」



何で俺、こんなに必死なんだ?自分でも、よくわからない。


とにかく車のキー、財布、携帯電話・・・着ていた黒のジャージのまま、俺は速度を上げて室駅へと向かった。



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