彼女の日記〜きみを忘れない〜
この前
『もうすぐ、クリスマスですね〜。』
誰もいなくなった仕事場で、幸恵は作成した書類のコピーをしながら、パソコンと向かい合っている俺に言った。
『・・あぁ。』
『「・・あぁ」じゃないですよ〜。その様子じゃ、何も予定が入ってないとか?』
『俺、もうおっさんだから、クリスマスなんてどうでもいい。』
『え〜。つまらないですね。』
コピー機のピーという終了音が鳴る。
『はいはい。俺はつまらん人間だよ。ごめん、これもついでにコピーしてくれる?』
印刷した紙を取り出した幸恵は、和樹から受け取った紙をコピー機にセットした。