彼女の日記〜きみを忘れない〜
近くに停めた車まで、幸恵は和樹の隣で黙って歩いた。
「家まで、送るよ。」
「いえ、電車で帰りますから・・・」と言っていた幸恵だったが、
「・・すいません、やっぱりお願いします・・・。」
エンジンをかけ、車を走らせる。真っ暗な道で、数台の車とすれ違う。
静かな車内で沈黙が続き、気まずい雰囲気が流れる。
ラジオのボタンに手を伸ばそうとたが、ラジオはつけなかった。その方がいいと思った。