彼女の日記〜きみを忘れない〜


一瞬、何が起きたのか分からなかった。曲がり角を真っすぐ行きそうになった。



「え!?何、言ってんの!?」


「だから・・・好きです、大沢さんの事。」


突然の事で、何を言っていいのか分からない。藤谷なら、こういう時、なんて言うんだろう。


どうしていいか分からない俺に、幸恵は「すいません」と謝った。


「入社した時、大沢さんの仕事している姿を見て、かっこいいなぁ〜と思って、それから、だんだん、好きになって・・・。近付きたくて、田中課長に怒鳴られたあの日、パソコンにメールを送ったり、映画に誘ってみたり・・・。」


俺は、前を見たまま幸恵の話を聞いていた。


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