彼女の日記〜きみを忘れない〜
藤谷は、下を向き、頭を両手で支えている。本当は、弱い奴なんじゃないかと思った。
話を聞いていたおっちゃんは言った。
「アツシ。お前、父親になるんだろ?そんなんで、彼女が幸せになれると思うか?これから、泣きたい事、いっぱいやってくるぞ。」
藤谷は、泣いている。
自分が遊んできた事、真理ちゃんが自分の子供を産みたいと言ってくれた事、おっちゃんの優しさが、今の藤谷の心の中で溢れ、涙となって流れているのかもしれない。
おっちゃんは、笑いながら藤谷の背中をたたく。
俺は、ただただ、2人の様子を見ているしか出来なかった。