彼女の日記〜きみを忘れない〜


「大丈夫、大丈夫。結婚しなくても死にはしないから。安心して、三十路を迎えて。」


同じく三十路組、肩まで伸びたストレートヘアの由紀が言った。


「それって、私が結婚できないって言ってるように聞こえますよー。絶対、結婚してやる!」


「相手いるの?」


ビールを飲んでいる優が聞いた。


「・・・いません。でも、今年こそは!」


「相手見つけるとか言って、結局、見つからないじゃん。今年も無理だね。30歳のあんたは独身。」


< 164 / 229 >

この作品をシェア

pagetop