彼女の日記〜きみを忘れない〜
お誘い
「大沢!ここと、ここの数字、間違ってるぞ!」
課長の怒鳴り声が、部屋全体に響く。目の前には、金曜日に残って仕上げた書類が積んである。
「あっ!その日は・・・」
なんだ?という目で、俺を見てくる。
「すいません。やり直します。」
椅子に座り、パソコンを立ち上げた時だった。
『課長、朝から機嫌悪いから、気にしないで下さい。ファイトですよ!』
別に、気にはしてない。
このメール、誰からだ?
『名前忘れてました!石原です。』
顔上げると、右斜め前の石原幸恵と目が合った。
「ありがとう。頑張るよ。」