彼女の日記〜きみを忘れない〜


ゆいは、いつからお腹が痛かったんだろう。


何も言わないし、そんな素振りも見せないから、全然気がつかなかった。



手術をした時、すでに遅かった。



『これが、ゆいさんの胃です。』



医者は、手術で取り出されたゆいの胃を私に見せた。


「これが胃?」と誰もが思うほど、ひどかった。


その胃は瘤だらけ。瘤の上に瘤が出来ている部分もあった。


いつから、こんな状態になっていたのかという私の問いに、医者はわからないと言った。


『多分、5年は経過していると思います。』


気づいてあげれば良かった。ごめんね。



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