彼女の日記〜きみを忘れない〜


今年の4月に仕事に復帰するとゆいは言った。


退院したばかりだったが、本人の決めたことに反対はしなかった。ただ、いつまで仕事が続くか、いつ本人が病気に気づいてしまうか、それが心配だった。



初めは、入院する前と同じように仕事をして帰ってきた。


帰りが早いと夕飯を一緒に作ったりしていた。


本当に病気なのかと思うくらいに元気で、いつものようにケラケラ笑っていた。


それから夏に近づくと、ゆいの体に変化が現れた。


『ご飯食べても、まだ足りない。』


退院してから3ヵ月後。いつも茶碗1杯のご飯を、2杯、3杯とおかわりする。


明らかに違っていた。


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