彼女の日記〜きみを忘れない〜
前より食べるようになったのに、前より痩せていく。
『今日、職場の人に痩せた?って聞かれたんだけど・・・私、痩せた?』
夕飯の準備をしている私に、帰ってきたゆいは言った。振り返ると、確かに少し痩せたかもしれない。
『暑いからじゃない?夏だしね。』
なんて言っていいのか分からない。ゆいは、自分の顔を鏡で見ながら「そうかな」と言っただけだった。
和樹くんと大学に忍び込み貧血で倒れてから、ゆいは仕事を1ヵ月休んだ。
体が思うように動かないと言っていた。
食べるご飯の量は多いのに・・・あれだけ食べているから体に負担がかかるのでは?
量を減らしたら?という私の言葉も、ゆいは聞かなかった。