彼女の日記〜きみを忘れない〜

それから、20分後。またメールが届いた。石原からだ。


『良かったら、お昼、一緒に食べませんか?』


「いいよ。」


『やったぁ。じゃあ、お昼に。』


女の子から誘い、珍しいなぁ。

「俺も、頑張るか〜。」


「ん〜?何か言った〜?」


隣に座っていた寺井が、ボソっと言った。


「いや、独り言。」

「ふ〜ん。」


寺井は、そのまま画面に目を戻した。


あまり喋らない寺井は、俺の4つ上の37歳。眼鏡に低い声で、ちょっと近寄りがたい。それなのに、結婚している。

悔しいが、仕方がない。
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