彼女の日記〜きみを忘れない〜
棚の上に置いてある花の入った花瓶を、思い切り壁に投げつけようとした瞬間、誰かが私の腕を後ろから掴んだ。
「お前、何してるんだよ!」
この声・・・
後ろを振り返ると、カズくんがいた。
「・・・どうして?」
私の手の中にあった花瓶を元に戻すカズくん。最初は驚いた顔をしていた。そうだよね。こんな私、見た事ないもんね。
「片付けるぞ。」
そう言って、私が散らかした部屋をカズくんは片付け始めた。
落ち着いてから部屋全体を見渡すと、どれだけ苛立っていたかがよく分かる。
こんな事したって、何もかわらないのに・・・
せっせと動く和樹の姿を見て、私も片付けを始めた。