彼女の日記〜きみを忘れない〜


片付けが終わった後、近くの公園まで歩いた。



山全体がオレンジ色に染まる頃。帰りの音楽が町に響く。自転車でどこかへ遊びに行っていた小学生が、急いで家へ帰っていく。



「で、この子が真理ちゃん。」



「へぇ〜若いねぇ。」



ベンチに座り、この間、結婚式を挙げたアツシと真理ちゃんの写真を見せてもらった。


「ゆい行けなかったから、写真だけでも見せようと思って。」


「ありがと。あ〜行きたかったなぁ、沖縄。」


「2人の結婚式じゃなくて、式を挙げた沖縄に行きたかったのか?」


「だって、1度は行ってみたいもん。」



隣で、ふーんとしか言わない。
何、期待してるのかな私。


せめて、動ける間に行けたら・・



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