彼女の日記〜きみを忘れない〜
「なぁ、行くか?沖縄。」
私の家まで歩いて戻る途中、ずっと遠くにある山を見つめながら、和樹は言った。オレンジの夕日に染まる横顔にドキッとした。
「何、言ってんのぉ?それ冗談?」
「行きたくないの?」
顔を少しこちらに向け、横目で私を見てくる。また、ドキッとしてしまった。
「行きたい!」
これで「嘘、冗談」って言われたら、どうしよう・・・
「じゃあ行くかぁ、沖縄。いつ行く?」
私を見る和樹の目は楽しそうで、何も知らない子供みたいに可愛い。
「今すぐ・・・」
つい本音が出てしまった。
「今すぐに行けるかよ!じゃあ、考えておくよ。」