彼女の日記〜きみを忘れない〜
「大沢さん、映画とか好きですか?」
「映画?嫌いじゃないなぁ。」
和樹から、昼食後のコーヒーを受け取ると、石原幸恵は軽く頭を下げた。
「じゃあ、見るとしたら、何を見ます?洋画ですか?邦画ですか?」
「洋画、かな。」
「私も洋画、好きなんです。今度、新しく上映される洋画、一緒に見に行きません?もちろん、大沢さんが良ければですけど。」
ホットコーヒーを飲みながら、和樹は話を聞いていた。
「考えておくよ。」
少し下にやっていた目線を和樹に向け、
「わかりました!じゃあ、また今度、返事下さい。」
と、嬉しそうに言った。