彼女の日記〜きみを忘れない〜


3年がたったある日、ゆいの母親から手渡されたノートの事を思い出した。




『あの子、日記書いてたみたい』




ゆいの部屋にあったという2冊のノートは、引き出しの奥にしまってあったという。




『家に置いておくつもりだったんだけど、和樹くんにも読んでほしくて・・・』



ノートの表紙の日付は、1度目の入院の時くらい・・・



『それ、返さなくていいから。和樹くんに持っててもらった方が、ゆいも喜ぶから』




そう言われて渡されたノートの表紙を、10年たった今、再びページをめくった。





< 223 / 229 >

この作品をシェア

pagetop