彼女の日記〜きみを忘れない〜


窓から入ってきた夏の風が、俺の体を優しく包む。




「あれ?お父さん、それ何?」



「これか?これはなぁ・・・」



ゆい、見てるか?俺、結婚したんだ。娘が2人いる。



「お父さんの宝物」




「何それぇ〜。もしかして、昔付き合ってた人が書いたやつとか?ちょっと、お母さ〜ん」




ゆい、俺、今すごく幸せだ。



ただ、お前の日記の隅っこに書いてあった相合傘を見ると、胸が痛い。俺とお前の名前が書いてあったもんな・・・



ゆいが望んでいた幸せを叶えられずに、俺は、お前の気持ちを知らずに・・・ごめんなさい。




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