彼女の日記〜きみを忘れない〜
「そういや石原さんって、今、いくつ?」
「27歳です。いくつだと思ってたんですかぁ?まだ、30歳にはなってませんよ〜。」
「いや、そうじゃなくて。」
「どうせ、私は老けて見えますよ。やっぱり、若い方がいいのかなぁ。」
石原は、紙コップに入ったコーヒーを見つめながら、ため息をついた。
「どうかな。俺なんて今年で34歳だよ。」
「でも、彼女いるんでしょ?」
「いないよ。」
「いないんですかぁ!」
「そうだよ。1人だよ。何で、そんなに嬉しそうなんだよー。」
机に伏せて、悔しそうに言う和樹。
「そのうち現われますよ〜。そろそろ、戻りましょうか。」
飲み干したコーヒーの紙コップをごみ箱に捨てて、朝いた仕事場へと戻った。