彼女の日記〜きみを忘れない〜
スクリーンには、英語で書かれた文字が、下から上へ流れている。
一番後ろの客が、まだ座っている客達の横を通り過ぎながら階段を降りていく。
他の客達がほとんどいなくなるのを待って、映画館から出た。
「めっちゃ、こわかったですね〜。ハラハラしましたぁ〜。」
奥の15番から出てくると、通路に人はほとんどいなかった。
「誰も、義理のおじさんが犯人だとは思いませんよね〜・・って、大丈夫ですか?」
「・・・大丈夫じゃねぇ。俺、駄目なの、グロテスク・・・」
「そうだったんですか!でも、そこまでグロテスクじゃ・・・」
「大丈夫だと思ってて・・ただ、予想以上に不気味だったから・・・」