彼女の日記〜きみを忘れない〜


「大丈夫ですか?」

「さっきよりはね・・・。」

あまり飲食店から離れたところの長椅子に腰掛けていた和樹に、幸恵は自動販売機で買ってきたお茶を渡した。


「なんか、すいません。大沢さんが、こわい映画ダメっていうの知らなくて。」

「いいよ。言わなかった俺も悪いし。」


「私って、本当に自己中。だから、彼氏ができないのかな〜。」


和樹は何も喋らない。


そうですね。何も言えませんよね。その通りですもんね、私・・・と幸恵は心の中で思った。


「あと、待ち合わせの時もすいません。10分の遅刻の事。」

買ってきたお茶を一口飲み、幸恵はふぅ〜と息をはいた。


その帰り、幸恵から携帯にメールが届いた。
最後は『明日、ゆっくり休んで下さい。』


その日、返信はしなかった。

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