彼女の日記〜きみを忘れない〜
「よっ。」
窓の外を見ていたゆいは、声のする方に顔を向けた。そこには、母親ではなく、和樹が立っていた。
「あ!カズくん。また来てくれたのぉ。」
「あぁ。暇だから、仕方なく来てやったよ。」
ゆいは、ストライプの黄色のパジャマを着ている。
手には、小さなノートとボールペン。
「本当は、心配なんじゃないの?」
「まさか。からかいに来ただけだ。」
和樹は、壊れそうな丸い椅子に腰掛けた。
「調子、どうだよ。」
「だいぶ良くなったよ。あんなにお腹痛かったのに、今は何ともない。」