彼女の日記〜きみを忘れない〜
「ふ〜ん。良かったじゃん。」
適当な言い方に、腹がたった。
「ねぇ、もっと嬉しそうに言ってよ。それに、もうすぐ退院するし。そうだ!退院祝いに、どっか連れてって!」
ゆいは、ベットから体を乗り出すように和樹に近寄った。
それと同時に、和樹も体を後ろに遠ざけた。
「どこへ?」
「そうだなぁ。観覧車乗りたい!」
和樹は、つまらなさそうな顔をした。
「・・・1人で乗ってろ。」
「何でー?あっくんなら、絶対『いいよ』って言ってくれるのに。もしかして、カズくん彼女いるの?」
「俺とアツシと比べるな。彼女?いないよ。」
彼女・・・昨日の石原幸恵とみに行った映画を思い出した。