彼女の日記〜きみを忘れない〜
「なら、いいじゃん。行こう行こう!」
ベットに座ったままのゆいは、嫌がる和樹を説得するのに必死だった。
「あんたら、仲良いねぇ。付き合ってんの?」
隣のベッドにいた患者が、ニコニコしながら言った。和樹の顔をジロジロとみているその女性は、30代後半くらいに見える。
「そう見えますか?あはは〜。だって!」
ベッドから立ち上がったゆいは、窓に移動した和樹の肩を、バシバシと叩く。
結局、観覧車に乗る約束をした。