彼女の日記〜きみを忘れない〜
「そういえばさ、そのノート。いつも、なに書いてんの?」
ノート・・。私がいつも、鍵付きの引き出しにしまっているノートのこと。
「これですか?私、日記つけてるんです。何かあった時の為に・・・。」
さっき、ノートの間にはさんだ紙があるか確認する。大学の時と、変わってない字・・・・。
「何かあった時?もうすぐ退院するんでしょ?それじゃまるで、遺書でも書いてますって聞こえるけど。」
机に散らばっていた化粧道具を、大きなポーチにガチャガチャと入れている。
「あはは〜。そうですね・・・」
その音で、私の声は静江に聞こえたかどうか、わからない。