彼女の日記〜きみを忘れない〜

5日後。退院する日がやってきた。

「退院おめでとうございます。」

看護士さんから花束を頂き、私とお母さんは「ありがとうございました」とお礼を言った。


今日の空は少し曇り気味。灰色の雲が太陽を隠している。

下の駐車場に停めておいた車に、荷物を乗せる。
お母さんの車に乗るのは、久しぶりだった。


「4月になったら、仕事復帰するよ。」


「うん。」


お母さんの運転する横顔は、本当に嬉しそうだった。


私は、ノートをぎゅっと握り締める。


こんな毎日が、これからもずっと続くと信じてた。
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