彼女の日記〜きみを忘れない〜
母親の記憶 ―旦那の旅立ち―
ゆいが、手術から目覚めた時、私は飛び上がるほど嬉しかった。
ゆいは目を開けてくれた。
私を見て、「お母さん」と言ってくれた。
良かった。生きてる。あったかい手・・・本当に生きてる。
あの時、ゆいが見た夢。
「遠くにいた男の人に辿り着けなかった」夢。
結婚相手かも、なんて言ったけど・・・もしかしたら、「あの人」なんじゃないかって思った。
ゆいの父親。私の旦那・・・。