彼女の日記〜きみを忘れない〜

ゆいが、まだ4歳の頃。


仕事から帰る途中、ゆいの父親は事故にあった。


「ドーン!!!」という地震のような音が民家を揺らし、静まった夜中に響いたそうだ。


相手は10トンダンプ。


病院に運ばれた時、意識はなかった。全身、絵の具で塗ったように赤く染まっていた。


車はグチャグチャになって、運転席のシートとハンドルの間に、人が通れる隙間さえなかった。



これは、助からない。


もう駄目だ・・・。

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