彼女の日記〜きみを忘れない〜


手術も虚しく、あの人は天国へと旅立った。


まだ、35歳だった。




私が案内されたのは、薄暗く、ひっそりとしたところで静かに眠っているあの人のいる部屋。



白い布をめくると、その中には、血の気のない、真っ白な肌をした旦那の姿があった。


日焼けしていた肌が、不思議なくらい白い。震える手で頬を触ると、冷たさが手に、手から足の先へと伝わった。


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