彼女の日記〜きみを忘れない〜
苦しくなかった?
痛くなかった?
最期に何を思った?
最期に誰の顔が浮かんだ?
一瞬で楽になれた?
「おかあさん?」
泣いている私の背中に、幼いゆいの声が聞こえた。
「おとうさん、どうしたの?」
私は、震える体を両手で落ち着かせ、涙を拭いた。
「ゆい。お父さんはね、神様のところへ行ってしまったの。だけど、お父さん寂しがるといけないから、お話してあげてね。」
おばあちゃんに抱かれたゆいは、不思議そうな顔をしていたが、素直に返事をしてくれた。