彼女の日記〜きみを忘れない〜

「お父さん、今日、お友達のさゆりお姉ちゃんが遊びに来てくれたよ。」


座敷にある、仏壇に置いてある父の写真に向かって、話しかけた。返事はない。

さゆりは、首を傾げながら
「・・・ゆいちゃん、誰に話しかけてるの?」
と、不思議そうにゆいを見ている。


「え?おとうさん。」


ゆいは、笑っている父親の写真たてを手にとって見せた。

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