彼女の日記〜きみを忘れない〜
「でも、あの木から抜け穴まで結構、距離あるだろ?そこまで、担いだのか?」
「うん。」
「重かっただろぉ〜。」
笑いながら言う藤谷に
「いや、そうでもなかった。」と答えた。
「軽かったか?」
「そうだなぁ。暑すぎて痩せたんだろ。」
ズルズルと音をたてて食べていた藤谷が、1杯のうどんを食べ終えた。
「もし河原、本当に痩せてたらどうする?」
「は?何、言ってんの?お前。」
店の中には、会社帰りの中年男性と、その話し声でいっぱいだ。