先生VS私
「………」
何も話さない先生が何だか気まずくなった私は、
「すみません、私のキャラじゃないですよね!!こういうセリフ」
そう言って、足早に立ち去ろうと後ろを向くと、先生が言った。
「真田さ…いや、さくら!!」
「先生?」
「その……」
赤くなっている先生かわいい…
…なんて思ってしまった…
私がこんなことを考えているとは知らず、先生は真剣に私を見た。
「嬉しいよ、ペアに誘ってくれて。
…お礼を言わなくてはいけないのは、俺の方だから」
私が固まっていると、水野先生は、
「気を付けて帰ってくださいね」
…と、言い残して去っていった。
私の頭の中は、さっきの先生の言葉でいっぱいで、それ以外のことは考えられなかった。
「私って案外、乙女なんだぁ……」
新たな発見をして冷静になった瞬間、大切なことを思い出した…
「部活忘れてた―――!!」
急いで向かうものの、鬼顧問の伊達さんに怒られたなんて、言うまでもなかった。