先生VS私
舞踏会の魔法
舞踏会の会場は、学園とは別の一角にある。
ダンスホールと、バラの咲き乱れる西洋の庭園……とてつもなく広大で、
まるで、シンデレラのお城のような雰囲気である。
ダンスホールには、
色とりどりのドレスを身にまとった生徒、
王子のような服をまとった者など、
まさに舞踏会という感じだ。
音楽はオーケストラの生演奏、
軽食と飲み物も完備……
…理事長の趣味とはいえ、やりすぎではないだろうか…
「伊達先生、礼服お似合いですね」
「水野先生!!…俺が言うのもなんですが…格好いいですね…」
「ふふっ、ありがとうございます」
伊達先生お墨付きなら大丈夫ですね。
そう言って水野は微笑んだ。
「水野先生の相手って……」
そう言った瞬間、水野の顔が、うっすらと赤くなった。
「……とても素敵な人です。僕にはもったいないくらいの」
「そんな素敵な人なんですか?…ぜひ会いたいですね…」
そんな会話をしていると、ホールが薄暗くなり
スポットライトに照らされた理事長が登場した。
「只今より、一夜限りの舞踏会を開催します」
それと同時に演奏が始まる。
「伊達先生、それではまた」
「頑張ってください、水野先生」
そう言って伊達は中庭へ出ていった。
「…伊達先生も頑張ってください」
水野先生の呟きに、俺は気付かなかった…