先生VS私


【さくら】



「水野先生……本当に私が相手でいいのかなぁ…」



先生を待っている間、どんどんネガティブになってきた。


…その時……





「遅れてすいません、…お相手、お願いできますか?…さくら」



まるで、シンデレラに出てくる王子様のように手を差し出してくる水野先生…




…この時点で私の血液は沸騰してますよ、先生………


深呼吸をして、私は答えた。




「こちらこそお願いします…水野先生…」





先生のエスコートは優雅で、とても優しくて……



ダンスが少し苦手な私を、さりげなくリードしてくれた。




先生が近いのは緊張するけど、なぜかいつもみたいな緊張じゃない……




「さくらさんは、とても軽やかに踊りますね」



「先生のリードがいいんですよ!!……今、さくら“さん”って言いましたか?」



「……あ……」



踊りながらの短い会話…



いつもと違う先生に、さらに惚れながらも、笑顔になる。



次の瞬間、先生は極上スマイルでとんでもないことを言った。



「一夜限りの舞踏会なんですから…私のことも名前で呼んでください」



「!?」


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