先生VS私



いやいや……


先生の名前なんて…


…恥ずかしくて言えませんよ――!!


私があわてていると、先生はわらって、


『冗談ですよ』


と言って微笑んだ。


何曲か踊り終わって、少し休憩になり、周りのペアも軽食をとったり、飲み物をのんで談笑していた。



「よかったらいかがですか?」


「わぁ…!!ありがとうございます!!」



先生が持ってきてくれたのは、私の大好きなオレンジと飲み物。



グラスを持つ先生も、何もかもが格好いい…



「このオレンジ、美味しいです!!」


「えぇ、切り方も食べやすいですし…
さくらさんの好きな果物ですよね」


どうして私がオレンジが好きだなんて知ってるんだろう…と、思って聞いてみると、




「文化祭の出し物のオレンジをたくさんつまみ食いしていたと聞いたので…」



「あはは……」






伊達先生ェェエエエ――!!


何でそんな事をよりによって水野先生に……



…つまみ食いっていう程度じゃなかったのは謝りますけど…



そんな私を見てか、水野先生は


「私もオレンジは好きですよ」


……と、フォローをしてくれた。

…ありがとうございます……




…伊達先生…許しませんからね!!



再び演奏が始まり、私たちは踊りだした。



苦手なダンスも、なんだか上達した気がした……


< 38 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop