先生VS私
「全員の誘いを断るっていうのは、本当にうわさ通りだな!!」
そう言ってくる伊達を軽くにらむ。
…というか、
………うわさ通りって…
どこで、そんなのを聞いたのかが、すごく気になるんですが…
「もしかして、踊れないとか?」
「そんなワケないでしょ!!
踊れますよッッ!!」
伊達の言葉に即座に否定する。
「ほんと〜??」
「……先生こそ、踊れないんじゃないですか?」
「なっ…!!…俺だって踊れるって!!」
学園の貴公子だからね☆
…本日2回目の意味の分からないことを言ってる先生は、華麗にスルーしておくに限る。
それと、もう1つ……
語尾に星をつけるのを止めてください…!!
私の心の叫びを、知ってかしらずか
「猿飛が、踊れるかどうか怪しいし…
……一緒に躍らない?」
…はい??
なんでそういう展開になるんですか?貴公子さま…
「…なんで私が、先生と躍らないといけないんですか?」
すると、伊達は、いたずらっ子のように笑って
「相手がいない者どうし……だろ…?」
…たしかに、相手がいない。
さいごの思い出にはいいかもしれない。
そう……
. .
……――――最 期……の
「…そのお誘い、お受け致します…自称、学園の貴公子さま」
「…ありがとうございます、…麗しき姫様……
…なんてな…」
ひざまずいて手を差し伸べてくる伊達の手の上に、自分の手を重ねる。
2人で、しっかりと向かい合ってホールに向かう……
まるで本当のプリンセスとプリンスのように
しっかりと手を取り合って……