先生VS私
猿飛は本当に上手…いや、優雅に踊る。
逆に、俺の方がリードされてるんじゃないか?…と思うほどだ。
「先生も、貴公子を名乗るだけあって、上手ですね」
「当たり前だろ、俺に不可能なんてないからな!」
俺の全力の冗談は、相変わらずスルーされた。
…と、思いきや……
「いつの時代のノリですか?…それ…」
と、返されたから
「これはスルーしないの?」
と、聞いたら、
『スルーするのも体力消費するから』
…と返された。
……なるほど……
…って、『体力消費する』って、どれだけ俺のノリは破壊力があるんだよ!!
…我ながら、自分が怖いぜ☆
…なぁんて…
こんなことを言ったら、本当に猿飛の体力が無くなりそうだから、言わないでおこう…。
…そいえば、語尾の星にも注意しないとな!!
そんなこんなで、結構踊った俺たちは、少し休憩することにした。
「猿飛、これ飲む?」
「ありがとうございます」
ジンジャーエールを手渡し、猿飛の隣にすわる。
しばらく話していると、猿飛が言った。
「先生、水野先生たちがこっちに来てますよ!!」
「え?どこに!?」
猿飛の言う方を見ると、水野先生と、紅いドレスの女性が歩いている。
…あの女性が、水野先生の大切な人かぁ…
猿飛に、水野先生の大切な人のことを話すと、なにやら、ニヤニヤしている。
不思議に思い、紅いドレスの女性を見てみる…
…そいつを見た瞬間、俺はジンジャーエールを吹き出しそうになった。
紅いドレスの女性は、
真田だったのだから……