先生VS私
夏ノ巻
夏の足跡
あたり一面に鳴り響く蝉たちの大合唱と張り合うように
桜ノ宮学園の道場からは稽古の音が響いていた…
「暑ぃぃい〜!!」
「さくらったら…何言ってるの?…夏だし暑くて当然!!」
「そ、そうだけど……」
稽古の間のしばしの休憩中、なつめとさくらは話していた。
桜ノ宮の剣道部は、とにかく強い。
…そして練習も伊達じゃない…
「よーし!!試合練習するぞ!!」
「「はいっ!!」」
伊達の号令に、部員全員が返事をする。
…他の稽古に比べて、稽古内容がハードでないから嬉しい…
……なんてことは言わない…
いや…言えない…。
…結局のところ、みんな試合練習が好きなのだ。