先生VS私
「夏祭りって言ったら、花火だろ!!」
「花火…ですか…?」
伊達の意外な答えに少し驚きながら、なつめは聞き返した。
「花火ってさ、ほんの一瞬で消えちゃうのに、その一瞬に全てをかけて咲くだろ?…その潔さと儚さが好きなんだよ、俺…」
「…儚さ…か…」
「…なつめ…?」
心配そうに声をかける伊達に、なつめは言葉を続ける。
「たとえ、どんなに美しく咲いても“一瞬”は“一瞬”……すぐに忘れられちゃう。
…人も同じです」
「…たしかに、いつかは忘れる。…けど、同じ“一瞬”でも少なくとも俺は…お前の事は忘れない、絶対に」
「…!!
……な、何言ってるんですか…?私は“花火”の話しただけですよ?」
そう言い放つなつめに、伊達は言った。
「そ、そんなコト知ってるって!お前がそんな深刻そうな顔してるからだろ!?」
「もともと、こういう顔です!!……やっぱり先生は嫌いです!!」
「なっ…!!」
「お二人方…そろそろみんなが復活しますよ?」
「水野先生…!!」
白熱したバトルに終止符を打ったのは、担任より担任らしい水野だった。