先生VS私
みんながどんどんくじ引を引いていき、次々にペアが作られていく。
そして出来上がったペアをよく見てみると、大体が一度は噂になったことがある男女であり、カップル整列ラッシュが起こりそうなのだ。
学級委員の毛利が、一生分の運を使ったのか…
それとも、伊達クラスの日頃の行いがよかったのか…
…真相は定かではないが、運が良かったのは確かである。
「なつめ〜!!…水野先生と行けなかったらどうしよ…。やっぱ先生にはもっと可愛くて女の子らしい子の方がいいよね……でも諦められないし…」
どんどん暗くなっていく親友を見て、そろそろ止めないと危ないかなぁ…と、思ったなつめは笑うのを止めて言った。
「…水野先生のことは大丈夫だと思うよ。さくらは可愛いんだし、優しいんだからさ!!」
「なつめぇ――!!愛してる!!」
「えっ…!?あ、愛してる…!!??」
何故さくらに告白されたのかが理解できなかったなつめであった…。
(…だってクラスの皆は、さくらと水野先生が一緒になればいい!…って考えているもの。毛利の腕の見せ所ね…フフッ)
なつめはこう考えて、少し微笑んだ。
さくらが自分に、“愛してる”と、言ったとき悲しそうだった水野のことも、後でからかってみよう…そう考えたなつめだった。