先生VS私


「あの、先生…何で無言なんですか…」


あまりの沈黙に耐えられずに私は尋ねた。




……が、反応がない……


「…って、聞いてますか??」


「あ、あぁ……。たこ焼旨いな…」


「…まったく聞いてないですね。」

再び会話がなくなり、私は先生の観察を始める。


たこ焼を食べては、溜め息をつく…

…この繰り返しだ。

やっぱり私といてもつまらないのだろう。

はっきり言ってくれてもかまわない…いや、言ってほしい。


「先生、もう帰りませんか?」


「…え?」


「…だから、明日も補習があるだろうし、朝も早いだろうし。…それに…退屈そうですしね」



「いや、違う!!…まぁ…補習はあるけど……。退屈じゃない」


溜め息をついていた事を言うと、先生は言った。


「…そ、それはだな……


…お前がすごい綺麗だからだ



……あ゙……」


トクン……


“綺麗”…?…私が?

混乱している頭…

やたらにうるさい心臓……


気が付いたら、こう口走っていた…



「先生も、すごく素敵です」


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