先生VS私
そんな水野とさくらを尻目に、伊達はなつめに話し掛けた。
「お前は…?」
「…え?…何がですか??」
意味が分からずになつめが尋ねると、伊達が顔を少し背けて言った。
「…だから…、俺が渡したヤツ、お前は付けるのか?」
「…校則違反じゃないですか?伊・達・先・生?」
すると、伊達は完全に背を背けて、開き直ったかのように言った……
「…俺は何も聞こえないし、今は教師でもないっ!!」
そして、付け足した。
「…俺は、付けて貰った方が嬉しい……」
「!?……それじゃ…付けます…?」
しばしの沈黙の後で、先に口を開いたのは伊達だった。
「“それじゃ”って何だよ、“それじゃ”って!……しかも、何で疑問型なんだ!?」
「え、つい口が…って…いいじゃないですか!!」
「良くないッッ!!」
「いいです!!」
なんだかんだ言って、校則を無視する2人……
まるで子どもの喧嘩のような言い合い…いや、“言い愛”に終止符を打ったのは……
「はいは〜い、お二人さ〜ん!いちゃつかないで下さ〜い!!」
…さくらだった。
「「いちゃついてないッッ」」
声までハモってしまい、互いを見つめて固まる“超絶鈍感”コンビ…
そしてそれを見て笑う水野、真田ペア。